昔からなんの手入れもしていないのに、真夏になると必ず庭の片隅で暑苦しそうな朱色の花が咲きます。
南アフリカ原産で、ヨーロッパで観賞用に改良され、フランス人モントブレットさんの名前にちなんでモントブレチアと呼ばれています。
またヒオウギズイセンとヒメトウショウブの交配種だともいわれ、クロコスミアという別名もあります。
日本には明治の中頃に持ち込まれ、葉がヒオウギ(檜扇)のようで、花(球根という説もある)がスイセンに似て、全体に小型なことから姫檜扇水仙と名付けられました。
花が終わるとトウモロコシの実を萎びさせたような黄色い実ができています。
我が家では少なくとも50年以上前から咲いています。
タンポポやヒメオドリコソウのように余所から飛んできて自然に繁殖したとは考えられず、誰かがどこからか運んできたのでしょうが、食べる物も事欠くような貧しい百姓に花を愛でる余裕があったとは思えません。
築後100年以上経っている我が家は、祖父母が両養子として入る前は、別の家系の人が暮らしていたそうで、明治時代にハイカラな花を育てていたものが、100年以上経過しても残っているのかもしれません。
そういえば、同じように明治初期にヨーロッパから輸入されたというフサスグリも屋敷に生えています。
その家系については位牌も過去帳も残されていないため、今では尋ねる手がかりもなく、謎のままです。
メモ | モントブレチア(もんとぶれちあ) アヤメ科の春植え球根草。和名はヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)。球茎は球状で、黄褐色の皮に覆われる。 高さ50〜80センチメートルに達し、剣状の細長い葉を互生する。 夏、先が2、3本に分かれた花茎を出して穂状花序をつくり、橙黄色(とうこうしょく)花を多数開く。 花冠は漏斗(ろうと)状で6裂し、径3〜4センチメートル。性質は非常にじょうぶで、半野生化している。 【日本大百科全書】 |
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科名 | アヤメ科ヒメトウショウブ属 | 学名 | Crocosmia x crocosmiiflora (Lemoine) N.E.Br. ヒメヒオウギズイセン 標準 Tritonia crocosmiflora (Lemoine) G.Nicholson ヒメヒオウギズイセン synonym 【米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)】 |
調理 | |||
薬効 | |||
季語 | 更新日 | 2012年11月 1日 |
【花の色】
「白」
「青〜青紫」
「紫」
「桃」
「赤〜朱」
「黄〜橙」
「緑」
「混合」
【実の色】
黒〜黒褐色
赤〜橙色
紫色
茶〜褐色
緑色
黄色
白〜灰色
色々
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