イチイ(一位)【アララギ、オンコ、トガ】

メモ いちい【一位】
 ((しゃく)の材料としたので一位の位に因み「一位」とあてた) イチイ科の常緑高木。日本北部の深山に自生。幹は直立して約15メートルに達する。 樹皮は赤褐色。雌雄異株。3〜4月頃葉腋に開花。実は9月頃熟し、橙赤色で甘く食べられる。 材質密・暗紅色で器具・装飾品・鉛筆に使用。 古来、飛騨国位山(くらいやま)産のものは笏の材料として有名。庭樹・生垣などにも利用。 スダオノキ。アララギ。オンコ(アイヌ語)。紫松。
【広辞苑】第5版

おんこ
 (アイヌ語から) 〔植〕東北地方でイチイ(一位)のこと。【広辞苑】第5版
おんこ
 〔植〕東北地方でイチイ(一位)のこと。【広辞苑】第6版

 「オンコ」ですが、更科源蔵/更科光「コタン生物記」(法政大学出版局)には、 「北海道では一般にこの木をオンコと呼んでいるが語源は明らかではない。」とあります。 これはアイヌ語かどうかもわからないということです。
知里真志保「分類アイヌ語辞典・植物編」にも「いちい」のアイヌ語として「オンコ」は載ってません。 この辞典の「オンコ」は和語索引にでてきますので、知里真志保は「オンコ」を和語だと考えていたのでしょう。
また田村すず子「アイヌ語沙流方言辞典」(草風館)にも「オンコ」はありません。「オンコ」がアイヌ語だというのは疑問です。
言葉の世界
科名 イチイ科イチイ属 学名 Taxus cuspidata Siebold et Zucc.  イチイ 標準
Taxus caespitosa Nakai var. latifolia (Pilg.) Spjut  イチイ synonym
Taxus caespitosa Nakai var. angustifolia Spjut  イチイ synonym
【米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)】
調理 食べ方や薬効 仮種皮は甘味があり美味しく食べられますが、種子は有毒ですので、必ず吐き出します。
薬効 利尿や糖尿病に用いられます。
毒草種子を食べると痙攣や心臓麻痺、呼吸麻痺を起こします。
季語 「一位の花」は晩春。「いちいの花」「あららぎ」「おんこ」
「一位の実」は秋
更新日 2012年12月12日

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【花の色】   青〜青紫      赤〜朱  黄〜橙    混合
【実の色】 黒〜黒褐色  赤〜橙色  紫色  茶〜褐色  緑色  黄色  白〜灰色  色々
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