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りんごの不思議
- 茨城県 Aさん
- りんごの”蜜”は注射器で蜂蜜を注入したのですか?
- Aさんへ
- 《サンふじ》などに見られる”蜜”はりんご自身の生理作用によって生じたもので、外から注入したものではありません!
りんごの葉に日光が当たると光合成によってソルビトールという糖質アルコールが作られて実に運ばれ、実の中で酵素の働きによって果糖などに変えられて蓄えられます。
糖度が高くなってくると酵素の働きが弱まって葉から送り続けられるソルビトールは糖に変わらず、細胞からにじみ出てきます。これが水に溶けると透き通って蜂蜜のように見えるので”蜜”と呼んでいます。
いかにも甘そうですが、実際になめても特に甘くは感じません。
”蜜”がたっぷり入っているということは、夏から秋にかけてよく太陽の光を浴びていたということの証です。
日中と夜間の温度差が大きくなってくると”蜜”が増え、りんごの果肉も柔らかくなめらかになって完熟し、ちょうど食べ頃になります。
”蜜”は芯の周辺に発生して次第に果肉全体に広がり、春になるころには消えてしまいます。
蜜入り《サンふじ》が東京の市場にはじめて持ち込まれたとき、「腐っている」として廃棄されたとか、”蜜”の部分だけくり抜いて食べた、などという逸話があります。
実際、古い教科書には「蜜病」と書かれており、保存中に褐色に変化(「蜜褐変」という)することがあるため、長期保存に適さない生理障害とされていました。
長期保存・販売するため”蜜”が入る前に収穫する東北地方の産地もありますが、近年、”蜜入り”の認知度が高まるにつれて完熟した”蜜入り”りんごが多く出回るようになっています。
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- 愛知県 Yさん
- りんごの表面がベタベタしているのはワックスをかけているのですか?
- Yさんへ
- りんごの表面に白い粉が付着していたり、ベタベタしていることがありますが、これはりんご自信が身を守ったり鮮度を保持するために分泌している物質で、外からワックスをかけたり油を塗ることはありません。
りんご以外にもぶどうやプルーン、プラム、キュウリなどは、表面に白いロウ物質(ブルーム)を分泌することによって表皮を保護し、水分の透過と病気の侵入を抑制して鮮度を保持しています。
ブルームの成分は脂肪酸やアルコールで、白く見えるため農薬が付着していると勘違いされますが、生産現場では鮮度の良い指標とされ、ブルームが落ちた物は商品価値が低くなってしまいます。
りんごの成熟が進むとリノ―ル酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸が増え、果皮表面に溶出してきます。
これらの不飽和脂肪酸がロウ物質を溶かすとヌルヌル、ベタベタした状態となり、水分の蒸発が抑えられ、鮮度が維持されます。
発生状態は品種によって違い、《紅玉》《千秋》《ジョナゴ―ルド》などはベタつきやすい品種です。
《秋映》を触ってベトベトしていると完熟で収穫適期ですが、《シナノスイート》がベトついているときはすでに過熟で、収穫適期を過ぎています。
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