「ぶどうのおいしい食べ方」
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『巨峰』ぶどうをみなさんはどのようにしてお召し上がりになっていらっしゃるのでしょうか。
2〜3粒の小房に切って他の料理に付け合わせたり、野菜やくだもののサラダなどに入れてお使いになりますか。
それとも、房をぶらさげ、口にほおばって豪快にお召し上がりになるのですか。
ここで生産者の食べ方をいくつか紹介します。
『巨峰』の市場価格を決める要素はいくつかあります。
なかでも最近特に重要視されているのが”房の形”で、重さや色、味が同じでも、”房の形”が良いと、1割〜2割値段が高くなります。
普通に召し上がっていただくのでしたら、”房の形”が良くないだけで値段の安いものが、だんぜんお得です。
←ぶどう直売所
「『巨峰』はおいしいけれど種がじゃまなので、『種なし巨峰』ができないのか」というお話をよく耳にしました。
実は”種のない巨峰”はずいぶん前から市場に出回っており、我が家でも作れますし、作ったこともあります。
《デラウェア》という種類のぶどうは、市場に出回っている物のほとんどが種なしですし、実際に『種なし巨峰』を中心に販売している産地が増えています。
お客様の望まれる商品を提供するということからすると、全部”種なし”になりそうですが、JA須高管内の主流は”種あり”のままでした。
『巨峰』は放置しておくと房の長さが30センチにも伸び、ところどころに粒があるだけ、という性質を持っています。
花が咲いて受粉が正常に行われると種が2〜3個できて実が大きくなりますが、受粉が妨げられると種ができず、実もせいぜい1センチ程度にしか大きくなりません。
つまり『巨峰』は種ができるから『巨峰』になるのであって、種ができないと《デラウェア》とあまり変わらないぶどうに成り下がってしまいます。
『種なし巨峰』は、この成り下がったぶどうをジベレリンというホルモンを与えることによって粒を肥大させたもので、いわば想像妊娠でお腹を膨らませたようなものです。
こうした性質を持つ『巨峰』を、大粒で色が黒く、房の形が整ったものにするためには、先人のたゆまぬ技術開発と改良の蓄積があり、その技術を利用して大産地化してきたという実績があります。
この先進・大産地が、これまでに培ってきた技術とブランドを捨ててまで種なしに取り組むか、ということはかなり難しい問題です。
このほかにも理由はいろいろありますが、『種なし巨峰』が主流にならなかった一番の原因は、最大産地が”食味の良い種あり”にこだわってきたためでした。
これに対して他の産地が逆手を取り、食べやすくて味はそこそこの『種なし巨峰』を高値で売るというのは、けっこう賢い戦術です。
こうした世の中の流れに手をこまねいていたJA須高でも、最近になってようやく『種なし巨峰』や皮まで食べられる《ナガノパープル》《ピオーネ》《シャインマスカット》などの新品種への切り替えが進められています。
最近、農協の指導員はこう生産者に訴えるようになりました。
「うんめえぶどう作りてんかい、銭取りてんかい(美味しいぶどうをお作りになりたいのですか、それとも収入を増やしたいのですか)」
背に腹は代えられないということでしょう。